2011年 09月 15日
先日、ブログを見てくれている友人に「仕事してるの?」と。 「やってますよっ!」 「毎日音楽を聞いて、CD漁りしてるだけではないんだ」 だから前にも説明したように、「音楽を一日中鳴らしているのは、音楽を生活音のノイズキャンセラーにしているわけなのっ」 隣家に里帰りしている小さい子の泣き声や、同居人がドアを開け閉めする音が聞こえにくいように音楽でマスキングしているのに。 いずれにしても、日本における梅雨時から今頃までは、木工作業には向きません。 湿度が高いためで、本来なら夏期休暇にしたいくらいです。 親しくしている木工家の友人と20年ぐらい前から、「夏は木工を休みたいね」と言い続けていますが、たぶん死ぬまでそんなことは無理でしょう。 私の工房ではそのことを踏まえて、個人工房にしては早くにエアコンを導入しましたが、コストを考えると24時間かけておくことはできません。 アコースティックギターを製作している高野さんの工房へ、先日材木を引き取りに行ってきました。 なんと梅雨からず〜〜っとエアコンは稼働しているそうです(昼も夜も、留守にしていても) 加工中のギターや仕上がり前のギターは、休む時には工房内の除湿機付きの別なブースに入れて厳重に管理しています。 一体ランニングコストは? 本業の都合もありますが小山の増田さん、ギター加工は晩秋から春先までしかやりません。 古くから、梅雨時はタンスは作るな、と言われていました。 つまりこの時期は湿度が高いため、吸湿した材木で作ったタンスが、冬には乾燥で引き出しがゆるくなってしまうということなのです。 以前の開放的な日本家屋であれば、問題が少なくてすみましたが、現在の高機密 高断熱の家では冬まで待たずとも、納品後2週間もしないうちに、引き出しはゆるゆるになってしまうことでしょう。 カントリー家具ならいざ知らず、オーダー家具では許されないと思われます。 寛大なお客様なら「木は生きているんですね!」ですみそうですが. . . (当たり前ですが、家具になった木は生きていません。スルメと同じで、乾燥して縮んだり反ったりしているだけです。誰もスルメは生きていると言わないのに、木は生きているんですねぇ?!) 特に中間にギャラリーが入ってたりすると、作り直しや修理のケースが多い、ずいぶん泣きました. . . 「夏に製作は無理です」と言ったにもかかわらず、そうなると忘れたふり。 本来であれば、作る方と売る方は対等であるべき。 もちろんお客様と作り手も対等で、お金は物との交換のために介在するはずですが. . . でも資本主義の原理にはかなわない。 今年は特に雨が多くてたいへんでした。 仕事場の角に立てかけてある材木も、裏側にはカビが。 エアコンのほかに扇風機で空気を対流していても. . . 昼間エアコンで除湿しても、夜間に吸湿してしまう。 ですから「後悔のほぞをかまない」ように夏は箱物(タンス やカップボードなどの、引き出しや 扉のついた家具の総称)は作らず、もっぱら脚物と言われるイスやテーブルのみにしています。 イスやテーブルも湿度の影響を受けますが、見た目に目立ちにくいことと、そのことから構造的に逃げやすいためです。 でもテーブル天板80Cm幅場合、以前マンションの10階に納品した時には一ヶ月もたたず15mm縮みました(目減り率が凄い) 若い奥様でしたが、そういう環境はお肌にも良くないと思うけど。 そういうことで、もっぱらストゥールを作ったり、 このイスは1脚だけ依頼されましたが、1脚作っても割には合わないので3脚まとめて、 (1脚だけではお高いですよ、とは言えません) 中央のチェリー材の低いイスがそうです、あとの2脚は普通の高さ(座面390mm)、だからあとで脚を切って低くもできます。 以前は丸棒に合わせてホゾを作るのがたいへんでしたが、 貫は長さを決めて切りっ放し、あとはDominoで加工のためピッタリ合う。 我ながらうまい!!(でも当たり前、Dominoがあるから) 木馬を1頭?頼まれました。 (こちらも3頭まとめていかがですかとは. . .少子化でもあるし) 20年ぐらい前から作り続けている、数少ないわが工房のベストセラー! 最初の1頭(ジグと型が見つからないため、お借りしてきました。ついでに記念撮影) これも4本 足が転んでいるため、まともにホゾを作ろうとすると、やっかいです。 でもDminoなら、 角度切りした先端にDomino加工。 角度も自由自在。 木馬の座面はDomonoで孔あけより、角鑿加工のほうが早い。 Dominoと角鑿の併用で能率倍増!! ホゾと同じ役目がこのドミノチップ。 幅と長さが適当でないときは、右のような材を適宜に切断して自作。 面倒なホゾ加工なしに、いとも簡単にこのように組み立てることができるので、 Dominoはもう手放せません。 昔の職人さんは手道具と腕だけで、こういう加工を難なくこなしていました。 私のレベルでは、とても一生かかっても追いつけません。 大阪のS様のギターの拭漆が仕上がったので、 組み立てようとしましたが、ネックジョイントがきつ過ぎます。 拭漆なのでたとえ20回塗装しても、塗膜は無視できる厚みですが、やはり加湿。 それとウォールナットボディとメープルネックの膨張率の違いですね。 僅か55mmぐらいの幅なんですけどね。 メーカー製ギターの、ジョイント部隙間の意味が理解できました。 少し削ろうとも考えたのですが、今日の湿度の移行からすると、もう間もなくピッタリになることでしょう。 朝8時 午前中でかけていて、エアコンなしでした。 12時に戻って、 夕方5時、 これでやっと安心して木工ができる。 ギター加工や箱物がたまっています。 毎回毎回バカみたいなので(実際バカです!)、きょうは動画をやめようとも思ったのですが、 昼に見たEric Johnsonがあまりにも素晴らしい!!! 「Venus Isle」(1996年) 「Alien Love Child Live and Beyond」(2000年) この2枚には入っていない曲で、いちばん有名でいちばん好きな曲(入っているCDは行方不明) 「Cliffs of Dover 」1988年ライヴ。 うますぎて、指使いが滑らかすぎて、凄さが伝わりにくい!!! 地味ですが、さすがEric が選んだだけあって、BassもDrumsもいいですね!
by ditzyzesty
| 2011-09-15 23:41
| 木工
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