2011年 05月 02日
16日に拭漆した大阪S様のウォールナットボディのストラトモデルが、案の定乾きません。 前回拭き取り後。 ウォールナットの色を生かすためかなり希釈しましたが、温度湿度ともに足りないため乾ききれない。 このままにしておいてももう乾かないので、強制終了ならずに強制乾燥と相成りました。 ここで秘密兵器!!(画像が直立不能です) 酢酸アンモニウム(良く分からないけど、わざわざ1級とうたうからには、特級も2級もあるのか?) 前回も書きましたが、クルミ、ウォールナット、ナラ、クリなどの木質にタンニン成分を多く含む材は、漆が乾きにくいのです。 事実、4日前に拭漆したタモのシンラインモデルは、同じ希釈の漆でも昨日にはカラカラに乾いています。 塗装直後。 本日。 少し黒ずんでいますが、希釈しないともっと黒茶色になってしまいます。 それで酢酸アンモニウムですが、本来は何に使用する薬品かは分かりませんが、これを使用すると漆が良く乾燥します。(あまり知られていないはず) 漆が乾燥しづらい冬期に漆に1〜3%直接混入して用います。 効果は凄くて、あっという間に真っ黒に。 どんなに乾かない漆でも強制乾燥です。 でもこれを混ぜると色が黒ずむので好きではありませんが、若い時仕事が間に合わず良く使いました。 お客様のお宅で「漆なので、後日明るいきれいな色になりますから」とごまかしたっけ. . . でもせっかくのウォールナットの色を黒くするのが嫌なので、こういう時には酢酸アンモニウムを水で溶かして20%の溶液を作り、まんべんなくその溶液で拭きます。 こうすると無理なく半日ぐらいで完全に乾いてくれます。 もちろん色もそのままで。 宮崎のT様、ヤフオク出品の最初の頃のお客さまです。 YAMAHAのSJモデルのボディ形にしたのですが、「重いので何とかなりませんか?」 どうにでもなります、そんなことは製造責任の範囲で、想定外などと逃げたりしません!! トップはメープル1ピース。 バックはホンジュラスマホガニーセンター2ピース。 自分で言いますが、矧ぎがうまい!! メープルの力が強く反りが出て、マホガニーが引っ張られているため、丸鋸で切れ目を入れておきました。 残念ながら1日たっても全然変わらず。 バンドソーで挽く前に裏側を仮に平面状にする。 それでゆっくり挽き割りますが、 0.5mmほど食われてしまいました、こいうのが一番くやしい。 このあと、薄くなった分としてウォールナットを間に入れ、セミフォローボディにします。 Slide ONE様の変形SGモデル。 まず型を作り(図面はお客様のご提供)、メールで確認(便利な世の中です、でももはやネットなしには生存不能となってしまいました) ご了解を得てから、希少材のホワイトリンバをバンドソーで切り出しますが、希少材で貴重材、代替不能とあっては失敗してもお金で購うわけにはいかないので、緊張のあまり手が震えます、ぶるぶる、ぶるぶる。 カッタウェィの切れ込みはバンドソーで切断しやすくするためでしたが、結局スクロールソーで易々と切断出来ました。 その後フォローボデイのための空洞を2カ所フォスナービットでボーリング。 それとバックキャビティをやはりスクロールソーで。 反りがでるのを見越して2mm厚めになっていますが、全く狂いそうにありません。 不思議な木です、かなり油分が強くチークと似ていますが、刃物はいためません。 香りも全くチーク材のようです。 スクロールソーで40mmはかなりきついのですが、難なく出来てしまいました。 フォスナービットのあとは、ルーターできれいにしようと考えていましたが、鑿による手加工にしました。 ルーター加工は「苦手な木工作業5つ」のうちの一番目です。 材が柔らかいので楽々です、鑿は日本製のバイオリン鑿。 こいう作業が特に好きです。 今度はトップの木取りについてメールで確認。 どちらにしようかな? やはり考えは同じで最初のほう。 木取りで迷うのも大好きで、納期さえなければ1ヶ月でも迷っています。 なので当然家具作りには向いていなかったような. . . カッタウェィの形に木目が沿っています。 この木はブビンガと思っていましたが、オーストラリア産なのでブビンガではないそうです。 でも香りはブビンガそっくり。 自分だけオージー.ブビンガと呼ぶことにします。 明日はC県のY様のマホガニー材を少しだけ削ります。
by ditzyzesty
| 2011-05-02 22:27
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